水業界研究Onlineイベント(10月1日)を開催しました!

公開日:2020年10月8日

 GKP未来会は、令和2年10月1日に初めての「水業界研究Onlineイベント」を開催しました。

 

■講師・司会者
・講 師:中村真優さん(2020ミス日本「水の天使」)
・司会者:富永昌伸さん((株)日水コン)

 

■参加者
・約50名(うち学生約20名)

 

■講演(19:00~19:20)
中村さんの講演「水の仕事で働く方々に宿る魅力 (PDF)
11月1日まで、Zoomの録画公開機能でイベントの様子を配信します。

≫録画はこちらからご覧下さい

 

■フリートーキング(19:20~20:00)※抜粋 ※敬称略

 

(富永)中村さんが関心のある水業界の動向は何ですか。
(中村)何よりも重要なのは人材で、若い方が減っていることが課題だなと感じます。水業界は、若い方がアグレッシブルに活躍できるフィールドであることがもっと知れ渡れば良いと思います。

 

(富永)水の天使としての姿勢や今後やりたいことは何ですか。
(中村)挨拶や感謝を忘れず行動しています。実際に働いている方の気持ちや誇りを最優先に考えて発言するよう心がけています。将来の仕事は模索中ですが、水に携わっていきたいと考えています。
(富永)中村さんも就職活動は大変ですか。
(中村)コロナ禍でうまくいかないこともあります。ただ水業界はインフラなので、コロナ禍でも人に必要とされる仕事ですよね。

 

(富永)水業界に来て驚いたことはありますか。
(中村)縦横のつながりが強くて業界が家族みたいなところです。私の知らないところで上下水道の技術が進化していることにも驚きました。
(富永)私も働いて14年ですが、就職したときには無かった技術が当たり前になってきたりしています。
(中村)上下水道は「あって当たり前」なので技術の進化を意識しにくい。改めて意識してみるといろんなことが進化していると思います。

 

(富永)雨対策も下水道の役割ということを中村さんも発信していますか。それを聞いた方の反応はどうですか。
(中村)下水道の日のPR動画で、雨の対策もやっているんだよと伝えたりしています。「下水道といえば汚水」のイメージが強くて、雨をやっていることを知っている方はあまりいないように思います。私のまわりでも驚かれる方が多いです。
(富永)内水ハザードマップの周知が進まないと困っている自治体も多いと聞きます。
(中村)最近ゲリラ豪雨の時に、下水道が街の浸水を守っているというニュースが出ているので、最近は知っている方も多くなってきていると思います。
(富永)浸水対策だと、我々コンサルタントが管をたくさんつくるのか、池をつくって貯めるのか、全体的な設計・計画を行います。それを基に、ゼネコンが工事をして、その後維持管理をしていくという流れです。「ゲリラ豪雨ができるメカニズムもまだよくわかっていなくて、偶然に発生するものなのかどうか突き詰めています」とニコニコでお話されている研究者の方もいる業界です。
(中村)今日聞いている学生の方には、そういう関わり方があるということを知らない方も多いと思います。

 

(富永)「じゅんかん育ち」は食べたことありますか。
(中村)食べたことあります!抵抗は全く無かったです。美味しすぎて手が止まりませんでした。ミニトマトをいただきましたが、本当に甘くて、トマト嫌いな方でも食べられるトマトなんじゃないかと思います。
(富永)下水道由来の肥料は安くて、それが農家の方のメリットになるんですかね。
(中村)安くて、甘くなるのはお得だと思います。
(富永)地産地消にもつながるということで、取り組みを進めている自治体も増えてきていると思います。こういった取り組みをどう思われましたか。
(中村)水の天使を始めるまでは、正直じゅんかん育ちについては知りませんでした。若い人には、下水道と食はミスマッチに見えます。でもこうして深く知ってみると、下水道と食が重なることでどんな相乗効果があるんだろうとわくわくします。下水道に興味を持つ入り口になるんじゃないかと思います。

 

(富永)水業界以外の方にこの業界に目を向けてもらうために感じていることはありますか。
(中村)水があることは当たり前になりすぎていて、目に見える変化があまりないので水業界になかなか目を向けてもらいづらいのかなと思います。若者が発信して流行らせて、世の中が目を向けるという流れが確立されているので、インフラの固いイメージを払拭してSNSで流行るような文言を取り入れていくのが効果的なのかなと思います。もうすでに、若い方がマンホールカードや水の日のポスターでポケモンのシャワーズを取り入れるなどの広報も行われていますよね。

 

(富永)下水道がつながるとおもしろいと思う分野はありますか。
(中村)個人的には教育とつながるとかなり上手くいくんじゃないかと思います。私のNPOでも子どもに向けて水の豆知識クイズをやると、本当に喜ばれるのと同時に、水への興味がより湧くというので、教育と連携した何かができると良いなと思います。
(富永)子どもの反応は良いですか。
(中村)例えば、単に歴史上の人物のクイズを出すのではなくて、水と絡めたクイズにするとすごく喜んでくれます。富永さんは、何か連携したら面白いと思う分野はありますか。
(富永)個人的に音楽が好きなので、誰か曲を作ってくれないかなと思っています。

 

(富永)見て驚いた技術などはありますか。
(中村)高知県の処理場に視察に行ったときに、そこは人口減少が進んでいる地域だったのですが、処理場の制御室を無人にして運転管理しているのを見て、都市部と地方ではだいぶ様子が違うなと感じました。
(富永)たぶん遠隔で操作しているんでしょうね。今後の人口減少にどう取り組んでいくのかは、業界の大きなテーマですね。人が減っても事業が回るようにITを取り入れたり、様々な技術開発が進められたりしていますね。下水道は、国内で2〜3兆円、海外で何十兆円の市場規模もある分野で、様々な課題にどう取り組んでいくのかやることはたくさんある分野です。

 

(富永)下水道使用料を水道料金と一緒に払っていることを知ったときはどうでしたか。
(中村)お支払いするのは当然かなと思いました。
(富永)お金をとって運営しているインフラというのは、ほかの土木分野とは違うところかなと思います。なので、お金の知識も大切で、文系の方でも活躍できます。簿記ができる方大歓迎です。

 

(富永)現場でいろんな専門家がいることを感じますか。
(中村)管を作っている人、処理場で働いている人以外にも、コンサルの人などいろんな方が関わっていることを知りました。
(富永)現場の魅力で何か感じることはありましたか。
(中村)仕事に誇りを持っている方が多いなと思います。お一人おひとりが下水道を止めると市民の生活がダメになってしまう、だから絶対止めないんだ!という使命感をもって働いていらっしゃることを感じます。

 

(富永)SDGsは学生の方も是非知っておいた方が良いと思いますが、水の天使としてSDGsを広げる点で大事にしていることはありますか。
(中村)水であれば6番目のターゲットを重点的に取り組んでいますが、大事なのは17のターゲット全てを達成していくことなので、下水道に限らず17のターゲット全てに沿うような発信をしています。
(富永)民間企業でもSDGsが一つの評価基準になりつつあります。

| プライバシーポリシー | お問い合わせ |