山田雅雄氏 都市と水を巡る想いを語ってくれました(わいがやトーク)

公開日:2015年3月24日

 今回のわいがやトークは、山田雅雄氏にお越しいただきました。山田氏は、元・名古屋市上下水道局長で、現在は中部大学客員教授、一般社団法人名古屋環未来研究所の代表理事を務めておられます。
 本HPでもご紹介しました通り、先般、自身の水分野における豊富な経験を基に今後の流域連携のあり方や都市・企業、市民の関わり方などを分かりやすく説いた「都市と水を巡って」(発行元:水道産業新聞社)を上梓されており、その中で特に想いの強いテーマ等についてお話しいただきました。
 トークの冒頭、強調されたのが「水の総合的な管理(流域管理)から、総合的な持続可能な流域圏の広域連携への転換」です。ここで言う持続可能性は、環境面だけに留まらず、社会と経済を含む考え方です。例えば、世界では今、様々な文化の衝突があり、その中で著しく人権が侵害されているケースがあります。また、経済的な側面では、富を持つ者・持たざる者の格差が一層拡大してきています。
 山田氏は、「直面する様々な課題を解決し、世界中の人々や将来の世代が安心して暮らすことのできる社会をつくるため、社会的公正の実現や自然環境との共生を重視した新しい“開発”=“持続可能な開発”をめざすことが重要」と話しました。この考え方は、自身がJICAのBOPビジネスの連携促進(スリランカ)に携わった経験などに根差しているようです。
 BOPビジネスとは、途上国の貧困層が製品やサービスの消費者となり、同時に彼らに雇用や起業の機会を与えるもので、このことが社会的課題(水、生活必需品・サービスの提供、貧困削減等)の解決にもつながっていく仕組みです。
 今回はこうした持続可能性を柱に、流域圏における広域連携や経済振興などについてもお話を伺いました。
 山田氏の考えは、著書「都市と水を巡って」(発行元:水道産業新聞社)に詳細に書かれています。これを機に、みなさんも是非手に取ってみてください。
【都市と水を巡って】
発行元は水道産業新聞社。A5版・280頁で、価格(税・送料別)は2,300円です。
 購入については以下のページをご覧ください。
山田氏著「都市と水を巡って」の紹介ページはこちら

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